雨続きの7月が去ったかと思えば、8月は暑いを通り越して痛いとすら感じられる厳しい日射の日々が続きました。
地面と空との境界が陽炎で揺らぐアスファルトの道路を歩いていますと、酷暑酷暑と連呼される「酷」の字が中国語では "cool" を意味するということを思い出し、では酷暑はcool heatか、これのどこがcoolであろうかと思考の跳躍が当てどころもなく続きます。
建築史研究室では8月頭に修士論文の中間発表会がオンラインで開催されました。この夏は卒論生(B4)と修論生(M2)にとってはひとつの天王山です。
いっぽう私のようなM1生にとっては、これといって急ぎの用事は見当たらないものの、修士論文のテーマ探しに就活の準備、アルバイト、調査活動、雑誌「史標」編集…と、やはり何らかのスケジュールには追われる日々が続いています。
例年ならば周りの同級生の就活や研究の動きを盗み見て、焦り自らもペースアップしたり、あるいは一休みして愚痴を溢しあったりもできるのでしょうが、今年はなかなかそうも行きません。
何事も個人戦になりがちな今夏にあっては、なかなかこの「月報」上で研究室活動としてご報告することも少なく、パソコンを前にキーボードを叩くでもなくひとり唸っている次第であります。
苦し紛れに、去年の今頃は何をしていたかと考えると、私はカンボジアや台湾に渡航し調査活動に勤しんでいました。実家に帰るくらいの気軽さで台湾に行くことができた時期でした(個人の見解です)。海の向こうの異国へも気兼ねかく行くことができた2010年代から、我々はだいぶ遠くに来てしまったと実感せずにはいられません。
写真は昨夏、台湾を訪れた際に撮影したものです。早起きして安宿を抜け出し、朝から開いているカフェを見つけて拙い中国語でコーヒーを頼み、頭が冴えてきたら図書館や大学へ。これこそ「酷」というものでしょう。
恨み辛みを述べるだけのような月報になってしまいました。来月はもう少し明るい話題をご提供できればと思います。
ここ数日、ようやく夜風が涼しいと感じられるようになってきましたが、皆様も体調に気をつけてお過ごしください。
(M1原田)