早稲田大学建築史研究室 月報

早稲田大学建築史研究室の活動報告ブログです。

7月報

残暑の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は7月の研究室の様子をお伝えいたします。

 

■卒業論文中間提出②

7月22日の卒業論文中間提出に向けて、各ゼミでは、卒論生が論文の構成や今後の進め方について先輩方からアドバイスを受けながら、修正を重ねていました。提出日が迫るなか、研究室では、それぞれが論文の完成度を高めようと取り組む姿が見られました。 

■9月生修士論文最終発表会・修士論文中間発表会①

同日には、9月生修士論文最終発表会と修士論文中間発表会②が行われ、先輩方がそれぞれの研究テーマについて発表されました。

・9月生修士論文最終発表

長濱さんの発表

 

・修士論文中間発表①

米岡さんの発表

 

王さんの発表

 

龔さんの発表

 

黒田さんの発表

 

吉田さんの発表

 

李さんの発表

 

池田さんの発表

普段から身近に接している先輩方の、研究の集大成となる最終発表や、今後の展開を見据えた中間発表を通して、各研究への理解を深める貴重な機会となりました。研究内容にも刺激を受け、今後のそれぞれの取り組みに生かしていきたいと思います。

 

■おわりに

あっという間に前期が終了し、いよいよ夏休みに入りました。夏休み中は、各自が調査や個人研究など、さまざまな活動に取り組みます。また、夏休み中の大きな行事の一つとして学会への参加も予定されており、学外の方々と交流し、新たな知見や刺激を得る貴重な機会となります。こうした一つひとつの経験や成果を積み重ね、後期の活動へとつなげていきたいと思います。 

文責:大澤

6月報

連日の暑さに体調を崩しやすい時期ですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか 。

報告が遅くなりましたが6月の研究室の様子をお伝えいたします。

 

■研究室旅行

毎年6月頃、建築史研究室では、建築見学と卒論生による研究発表を兼ねた研究室旅行を実施しています。 

今年度は6月13日・14日の2日間の日程で行われ、見学先として初日は富士本宮浅間大社、二日目は起雲閣、旧吉田茂邸、旧大隈重信別邸、旧古河別邸に訪れました。

 

富士本宮浅間大社

 

起雲閣

 

旧大隈重信別邸、旧古河別邸

 

文化財や建築を研究対象として扱う上では、実際に建築を訪れ、その価値を見極める眼を養うことが重要です。今回の訪問先はいずれも、各自治体の指定・登録文化財となっている建築でした。館内の展示では、修繕に用いられた方法や保存に至るまでの過程も紹介されており、文化財をいかに保存し、次世代へ継承していくかを改めて考える機会となりました。

 

■卒論生発表

卒論生による発表は、現在検討している研究内容について、所属するゼミの枠を越えて質疑や助言を受ける貴重な機会となっています。

小岩先生からは各自の発表内容に対する講評に加え、全体に向けて、論文執筆に臨むうえでの心構えについてもお話しいただきました 。

 

発表の様子

 

 

集合写真は宿泊先である大田区立伊豆高原学園にて撮影いたしました。

大田区立伊豆高原学園



■調査練習

6月17日には、調査練習説明会や事前課題を経て、新入生が立花大正民家園(旧小山家住宅)にて初の実測調査を行いました。

皆で朝から汗だくになりながらも、熱中症対策をしながら無事に終えることが出来ました。

実測をして野帳(図面作成用のスケッチやメモ)を取るという調査の手法を初めて学ぶ機会となりましたが、この経験を踏まえて上級生と連携を取りながら夏季調査に臨んでいただきたいです。

実測の様子



■おわりに

研究室全体の行事として研究室旅行と調査練習は前期の中でも特に大きなものです。所属の異なるゼミや研究会の先輩後輩とも話すきっかけになったのではないでしょうか。これを機にさらに交流が深まれば幸いです。

 

また、連日厳しい暑さが続き、体調を崩しやすい時期でもあります。研究を続けるためには、現地調査を行うための身体的な体力と、文献を読み、思考を重ねるための集中力という、二つの意味での「体力」が必要です。

これらを養うには日ごろから調査や文献読解を重ね、その量と質の双方を高めていくことに加え、心身の状態を整えておくことも欠かせません。

十分な栄養と休養をとり、体調管理に気を配りながら、前期の残りの活動にも取り組んでいきましょう。

 

文責:大澤

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研究室名札掛け更新

日頃、建築史研究室では入室・退室の際に研究室前の名札を裏返して在室状況を示しています。

しかし近年名札を掛けるための板が老朽化してしまったことに加え、建築史系研究室のメンバーが増えたことにより名札を掛けるフックが足りなくなってしまいました。そこで、今回、新たに一回り大きな名札掛けを制作いたしました。

制作にあたっては先輩方にも監修していただき、名札の幅を基準に設計を行いました。板の調達、穴あけ、塗装、金具の取り付けまで作業を進め、無事完成いたしました。

塗装には柿渋を塗り重ね、隣に設置してある格子とも調和する落ち着いた色味に仕上がりました。

 

旧名札掛け

 

新名札掛け

 

作業風景

 

この名札の制度は60年以上前から受け継がれてきたもので、建築史研究室の伝統の一つとなります。今回の制作によって新M1の分まで名札を掛けられるようになり、名札を裏返すことで建築史研究室の一員になった自覚を改めて持ちました。

裏返す際の「カチャッ」という音と動作には気持ちも切り替える力があり、この研究室ならではの風情を感じます。

新しくなった名札掛けを、ぜひ研究室の皆さんにも積極的に利用していただければ幸いです。

 

文責:大澤

 

 

3D勉強会

ご報告が遅くなってしまいましたが、5月18日には3D勉強会を開催し、「フォトグラメトリ」というデジタルアーカイブ技術について学びました。勉強会ではフォトグラメトリ用の写真撮影方法の講習やスマートフォンのアプリを用いた撮影を行いました。また、講習の一環として村野読書室をお借りし内部空間をデジタルアーカイブ化しました。

 

初めて一眼レフカメラを触る人もおり、真剣なまなざしで説明を受ける様子が見られました。

階段空間の撮影

 

村野読書室での撮影風景①

 

村野読書室での撮影風景②

 

フォトグラメトリをはじめとするデジタルアーカイブ技術は、曲面や不定形の事物などの計測に適した技術となります。例えば屋根など野帳(図面作成用のスケッチやメモ)を取ることが難しい部分の測量、図面作成に用いる写真選定などの判断材料としても活用できます。さらに作成した3Dモデルを様々な角度から確認することで対象建築物全体の関係性を把握したり、スクリーンショットを活用することで正面図の全体像を推測したりと、実際の調査での重要な判断材料の一つとなっています。

 

こうした技術を研究室内で共有し、次世代へと継承していくことも今後の調査を行う上で極めて重要となります。

講習会に参加した方々には、ぜひ今回学んだことを今後の調査や各々の研究に活用していただきたいです。



文責:大澤

5月報

日中は汗ばむ陽気となりましたが、皆様いかがお過ごしですか。

今回の記事では5月のゼミや発表についてお伝えしていきたいと思います。

 

■卒業論文中間提出①

5月22日にはB4生の卒業論文中間提出①がありました。

B4生にとっては初めての公式提出であり、修士生とも相談をしながら提出に向けて研究室で作業する姿が見られました。

また、提出後のゼミでは小岩先生からのフィードバックもあり、6月の研究室旅行での発表に向けてブラッシュアップやプレゼンテーション作成を行っていきます。

レジュメの内容について相談をするB4と修士生

 

提出後のゼミでのフィードバック

 

 

■9月生修士論文中間発表②

5月28日には9月生の修論中間発表会①が行われました。

小岩研究室からは王さんと長濱さんが発表し、緊張感を持ちながらも先生方と質疑応答が行われました。

王さんの発表

 

長濱さんの発表

 

 

■調査練習説明会

6月に行われる新入生を対象とした調査練習に向けて、小岩研究室で行う調査の意義や概要について説明会が開催されました。

併せてCAD講習会も行われ、夏の調査への準備としてぜひ真摯に取り組んでほしいと思います。また、修士生にとっても研究室での調査の意義を改めて問い直す良い機会となり、B4生への指導に向けて意識が高まっています。

調査練習説明会

 

博士によるCAD講習会

 

 

■プレ文献ゼミ

ゼミ中の発表の様子

 

修士生が毎週行っているプレ文献ゼミ/文献ゼミでは、中世に発生し、近世に発達・体系化したとされる木割書(大工技術書)の読解を行っています。木割書は草書や行書で書かれたくずし字という書き方で記されており、読解には訓練が必要です。

通年での木割書分析を通じ、比較建築史の手法と木割術の基本的構造を理解し、建築の生産実態や技術継承に対する想像力を深めること、またその成果を共同研究に結実させることを全体の目的としています。

質疑応答で図示しながらの説明

 

本ゼミの特徴は、単なる知識の習得に留まらない、建物全体の印象と細部部材の間に存在する空間的/構造的/意味的な連関や制約を精緻に捉える「眼」を養う点にあります。こうした史料の解読には、史料に記録されたくずし字の読解のみならず、内容理解に必要な建築史的、技術史的な知見が求められます。そのため、まずは三ヶ月間の「プレ文献ゼミ」において、これらの基礎を徹底的に固める期間を設けています。

 

4月~6月前半に行われるプレ文献ゼミでは以下の3つを目的としています。

 

・一次史料の扱い方を「木割書」を主題に学ぶこと

・共同研究の在り方を模索することで6月以降に始まる本文献ゼミに繋げること。

・修士論文執筆に向けて自分の意見を論立てられるようにし、論文執筆の手法を身につけること。

4〜5月ではプレ文献ゼミ前半の『新編拾遺大工規矩尺集』「五間四方堂」の読解が終了し、後半の『匠明 門記集』「四脚門」の読解に入りました。ゼミを通して、修士課程としての研究力を底上げするよう日夜励んでおります。同期の間でも話し合いを通してより結束を深められているように思います。

プレ文献ゼミに向けた準備の様子




■おわりに

去る5月21日は二十四節気の「小満」にあたり、木々の葉が生い茂り日光を受けて養分を蓄える季節です。研究室活動においても今まさに各々が興味関心の枝葉を伸ばし、スキルや知識を蓄えている真っ最中だと感じます。

 

そんな日々のなかで最近ふと思うのが、メンバーの「朝型と夜型のライフスタイルの違い」です。コアタイムのない当研究室は、各自が予定を合わせてゼミを行ったり、図書室のように集中して資料を読み込んだりと、非常に自由度高く活用されています。

多くの人はお昼過ぎから夜にかけて在室し、休憩中の雑談から議論が飛び交うことも日常茶飯事です。一方で、夜遅くに来て朝方に帰る人もいれば、朝早くから来て作業をする人もおり、時間帯ごとに在室する人の属性が変わります。特に今の季節の早朝は空気がひんやりとして気持ちがよく、集中するには絶好の時間帯です。

 

このような多様なスタイルが共存する環境だからこそ、研究室生活に慣れてきた今の時期の新入生の方々には、単に周囲のペースに合わせるだけでなく、主体的に自分に合った研究室の使い方や作業環境を探り当てる力を身につけてほしいと期待しています。

 

普段は行かない時間帯にあえて足を運んでみることだけでも、いつもとは違うメンバーや新しい意見に出会えるはずです。そうした小さな試行錯誤を通じて、「自分なりの集中できる空間」と「他者からの予期せぬ刺激」をうまく両立させていくことこそが、これからの研究生活の土台になるのではないでしょうか。

 

寒暖差の激しい日々ですが体調には気を付けて精進して参ります。

また5月には今回取り上げた発表などの他にも活動が行われており、それらについてはまた次号でお伝えいたします。

 

文責:大澤

 

4月報

若草が萌えたち爽やかな風が吹く季節となってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 初めまして、本年度の月報を担当いたします、修士1年の大澤です。拙文ではありますが、小岩研究室の日々の活動についてお伝えしていきたいと思います。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、4月に入り小岩研究室は新たなメンバーを迎え、新体制が始動いたしました。

 

 

■建築史系研究室合同顔合わせ

4/6には中谷研究室と合同での顔合わせが行われ、各々自己紹介を行いました。今年は両研究室10名以上の新入生を迎え、例年以上の活気を見せています。

B4生による自己紹介

 

小岩先生からの挨拶

 

 

新入生歓迎会集合写真

 

新入生歓迎会も終始和やかな雰囲気で進行し、親睦を深めることができたように思います。

同期の「ヨコの繋がり」と先輩・後輩の「タテの繋がり」は、今後の研究生活においてかけがえのない財産となります。これからも積極的にコミュニケーションを図り、互いに研鑽できることを楽しみにしています。




■プレ文献ゼミ

修士生はプレ文献ゼミが始まり、木割書の読解に励んでおります。

M1は初めてくずし字を読むメンバーが多く、苦戦しつつも協力しながら読解を進めております。





■ゼミ始め

各ゼミも始動しました。卒論生はフィードバックを受けながら各々の興味をもとに研究計画を立てていきます。また、私たち修士生も卒論生からの相談を通して自己研鑽に努め、気持ちを新たに身を引き締めて研究に励んで参ります。

 

 

■プレ研究会

小岩研究室ではグループで研究を行う「研究会」を各研究会長中心に運営しております。今年度は新しい試みとして研究会体制の見直しなどを行うプレ研究会を開催し、各研究会長が研究計画を発表しました。卒論生からも新規に研究会を立ち上げる動きがみられ、活発な研究室活動に向けて期待が高まります。

各研究会の研究計画発表

 

ここまで年度初めの研究室の様子を紹介してきましたが、卒論生、修士生ともに日々研鑽を積んでおり、どのような研究が行われていくのか楽しみです。

前期は夏の調査や論文執筆に向けた準備期間となります。興味の幅を広げること、何が好きなのかを深堀りすることができる期間ですので、次なる飛躍のための力を存分に蓄えることを願っています。



最後になりますが、本ブログではこのような形で研究室の日々の様子をお伝えしてまいります。読者の皆様、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。 

 

文責:大澤

 

3月報(卒業式)

木々が芽吹き、花がそよぎ歌う門出の季節となりました。

時に厳しく、時に友人のように日々を駆け抜けた博士生、修士2年生、学部4年生の皆さまの卒業および進学を心よりお祝い申し上げます。

■卒業式

■博士生+修士2年生

■学部4年生

■研究室一同

今年一年は様々なことがあり、研究室が少し変化し始めた一年でもありました。春には新しい学部4年生を迎え、ますます建築史系は盛り上がっていく予感を感じています。

一年間月報の執筆を担当したキョウキョウ・松野から次の担当に引き継ぎます。建築史学は積極的に社会と接続して思索をしなければならないものであり、研究室内外の皆様をお繋ぎする役が務まったとすればこの上ない喜びです。今後も建築史学が社会とともに発展することを期待しております。

 

文責:キョウキョウ、松野