早稲田大学建築史研究室 月報

早稲田大学建築史研究室の活動報告ブログです。

5月報 プレ文献ゼミについて

ご無沙汰しております。

本日は、文献ゼミのお話をしたいと思います。

文献ゼミでは、修士生以上が全員参加し、木割書と呼ばれる日本の建築設計技術書の読解、ディスカッションを行なっています。
扱う文献は年によって異なりますが、その多くがくずし字で書かれた古文書となり、字を読んで内容を把握すること自体がとても難解です。

よって、実際の文献ゼミがスタートする前に、初学者のM1に指導役としてM2がつき、木割書の基本的な読み方と解釈を学ぶ、プレ文献ゼミが行われます。
プレ文献ゼミでは、『新編拾遺大工規矩尺集』、『匠明』と毎年同じ木割書を読解し、M1それぞれが担当箇所についての発表をします。

現在はプレ文献ゼミの真っ只中で、ちょうど先日『新編拾遺大工規矩尺集』の発表が全員分終わりました。
それぞれの担当箇所はそれほど長くないのですが、ほんの数行を解釈・考察するだけでも相当の時間と労力がかかります。
発表直前は研究室で徹夜作業をする人もおり、卒論修論の佳境期を彷彿とさせます。

 

こちらは発表を控えたM1のレジュメ作成中の様子です。
発表までの簡単な流れとしては、まずくずし字辞典、古語辞典を頼りに本文を読み下し、
記載内容について他の木割書の記述や実際の遺構の寸法検証を通して考察を進めていきます。
扱う文献、それらを共有する人数ともにとても多いので、すぐに机上の秩序がなくなります。

(最近では多少マシになりました)

先週から後半の『匠明』に入りました。
より難解な表現に苦しみつつも、全員で協力し、M2、助手の助言もいただきながら理解を深めています。
相変わらず、毎日誰かしらが研究室に通い詰めている日々です。

辛い要素が多いので、ただ楽しいと一概に言えないのですが、同期全員で一つのことを進めたり議論したりする機会は滅多になく、そういった意味では今までにない充足感があります(筆者の意見ですが)。
7月に始まる文献ゼミに向けて、日本建築と向き合う感覚をより研ぎ澄ませていけたらと思います。



文責:M1 笠井

4月報 #2 レイアウトが(少し)変わりました

ほんの少しだけ、研究室のレイアウトがアップデートされました。

学部・修士生は個人デスクを持たず、中央の大きな机を共同で使っています。
建築史研では研究の要である文献資料を大量に擁しており、書架の隙間にパズルの如く机と椅子を敷き詰め、レイアウトを工夫しながら本と人の共存を追求しています。

今回の改造で、普段使用する机の上が散らかりにくくなり、かつ行われるゼミ・研究会の規模によって机の大きさを使い分けられるようになりました。
また、春休み中にも図書整理・レイアウト変更の定期イベントが行われており、教員席側上部の本棚が新調され、三手先が右に移動しました。

増え続ける資料を収めつつ、研究環境、防災面の安全性に気を配ってくれているレイアウト係、図書係には頭が下がるばかりです。

ちなみに、大机すぐ脇の本棚は可動式書架になっており、蔵書数を誇る建築史研究室ならではの光景といえます。
筆者が図書館以外でこれを見たのは、ここが初めてでした。

研究手法の潮流は日々発展していますが、大量の文献の中から地道にヒントを追い求めることは、研究者に求められる姿勢として普遍なのだろうと感じます。
四方を本に囲まれる研究室は、そのあるべき姿を象徴しているようで、個人的にとても好きな空間です。

マイナーチェンジした空間の中で本の視線を感じながら、気持ちをリフレッシュして研究活動に勤しみたいと思います。

(冒頭の写真後方にチラッと写っているのは、今年度から研究室の仲間入りをしたオフィスグリコです。きっとこれからお世話になることでしょう)

文責:M1 笠井

4月報 #1 新年度です

桜の盛りも過ぎ、あっという間に葉桜の季節になりました。

新年度の慌ただしさも落ち着いたころでしょうか。

 

初めまして、今年度の月報を担当いたします、修士1年の笠井です。

建築史研究室で取り組んでいる活動や、研究室メンバーの研究の様子、その他たわいもない日常の風景をお伝えしていきたいと思います。

拙い文章ではありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて、研究室では新たに9名の新卒論生を迎え、

ゼミ・研究会も新体制での活動が始まりました。

自分の研究室入室からもう一年が過ぎたことに驚きを感じるとともに、これからは修士生として、卒論生の研究を支え指導する立場となったことに、気持ちを新たに向き合っていきたいという思いです。

 

また、修士生全員参加のプレ文献ゼミも、例年よりも早い4月5日から始動しました。

発表を担当するM1生は、早速その難解な資料の読解と考察に頭を悩ませ、研究室に通い詰める日々です。

詳しいゼミの概要や様子は、次回の投稿にてお伝えできればと思います。

 

文責:M1 笠井

3月報

皆様ご無沙汰しております。

 

例年よりも一足早い桜が散り始めたこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

建築学科・専攻では、先日3月26日に卒業式・学位授与式が執り行われました。

小岩研究室からはB4、M2合わせて20名が出席し、新たな門出の日を迎えました。

 

 

皆さんのご卒業をお祝いするとともに、慣れ親しんだ環境を離れる寂しさも感じてしまいます。

 

就職や進学とそれぞれ様々な進路を選択されたことと思いますが、皆さんの今後が充実したものでありますよう、お祈りいたします。

 

文責:修士1年 宮尾

歴史系新卒論生の説明会について

ご無沙汰しております。

本日は2023年度歴史系新卒論生の説明会を周知致します。

 

■歴史系卒論生説明会

1月18日(水)18時15分~20時15分

会場:55号館N棟1階大会議室(オンライン併用)

 

オンライン会場につきましてはWasede Moodle上でお知らせいたします。

ご興味がございましたら是非ご参加ください。皆様の参加をお待ちしております。

11月報

ご無沙汰しております。

皆さま10,11月はいかがお過ごしでしたでしょうか。

 

建築史研究室では、11月に卒論最終発表会を行いました。

卒論生の研究はどれも独創的なアイデアと多大な努力を伺わせる素晴らしいものばかりで、卒論生の成長を実感するとともに、先輩としては身が引き締まる思いでした。

 

さて卒論生はこの後、学部卒業のために必須となる卒業計画に取り組んでいくことになります。三人一組で取り組むこの課題は、建築学科に数ある課題の中で最も時間と労力を費やすことのできる課題です。学部生活の集大成として、それぞれ納得のいくものを作り上げてほしいと思います。

 

文責:修士1年 宮尾

夏報

心地よい秋晴れが続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

気づけば夏季休業期間も終わり、新学期が始まりました。

研究室には9月入学の新たな面々が加わり、より一層にぎやかになりました。

この機会に気持ちを新たにして、研究活動に励んでいきたいものです。

 

さて、研究室では夏季に複数の実地調査を行いました。

立源寺調査

弘福寺調査

龍蔵寺調査

龍角寺調査

カンボジア現地調査

また、龍角寺の調査では、企画展示にも協力しました。

研究室メンバーが精魂込めて作り上げた模型も展示されています。是非お越しください。

 

www.waseda.jp

 

各調査についての詳細は、近日中に研究室HP夏季調査でお伝えする予定です。

 

気温差が激しい時期ですので、体調に気を付けてお過ごしください。

 

文責:修士1年 宮尾