早稲田大学建築史研究室 月報

早稲田大学建築史研究室の活動報告ブログです。

10月報

ご無沙汰しております。

急激に空気も冷え夏から秋に様変わりしたこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

10月から研究室も本格的に始動しております。本日は院ゼミの「文献ゼミ」について少しお話しできたらと思います。

 

今年の文献ゼミは「木割成立前に各部材系統内に暗黙の寸法割り付けがあったのか」ということをテーマに進めております。その暗黙の寸法割り付けを「空間的連関性」と捉え、様々な遺構や木割の分析を行い解明しようとしています。

調度先日、私の発表が終わったので率直な感想を述べさせていただきますと、視えそうで視えないものを証明することの難しさが今回の研究にはあります。何かがあることは分かっている、けれどそれを証明しようとするといつの間にか自分の手の内からすり抜けている・・・とでも言いましょうか。そんな感情を抱きながら発表に臨みました。

 

まだ私は修士1年で研究のことを細かく言える立場ではありませんが、このように「視えそうで視えないもの」を研究し続けている方の忍耐力や分析力、考察力は本当に素晴らしいなと感じます。今年度のゼミでこの「空間的連関性らしきもの」が証明されなくても、いつか証明され木割の研究がより発展することを願っています。

 

さて来月は研究室にとって一大イベントを控えております。それは卒業論文の発表です。来月の月報は卒業論文発表会についてお伝えしようと思います。

それではお身体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

 

文責 M1田中