早稲田大学建築史研究室 月報

早稲田大学建築史研究室の活動報告ブログです。

4月報

 早いもので、2020年もその三分の一の日数が過ぎようとしております。我が家の庭に目をやると、小町藤が咲いたかと思えば、紫木蓮も花水木も咲き、いつのまにかツツジも今を盛りと見えます。

 本来ならば、今日は待ちに待ったゴールデン・ウイーク初日となる筈の日でした。確かに連休初日であることに変わりはないのですが、かように毎日自宅に籠っている日々では実感が湧きません。

 

 われわれ建築史研究室は新たなメンバーを迎え、手探りの状態ではありますが研究活動を続けております。ゼミや会議、飲み会も全てオンライン上での開催です。

 建築史を学ぶものとして、今まさに歴史上の大きな転換点を通り過ぎているのではないか。そう感じることも時折あります。研究はオンラインでも進められますが、気まぐれや思いつきで研究室に立ち寄った友人との雑談の機会は大きく減ってしまいました。遅まきながら、学部生の頃の設計課題で深く意識せずに使っていた「出会い」や「偶発性」という言葉について、改めて考えさせられています。

 

 ピンチはチャンス、というのは使い古された表現ではありますが、愚痴だけを零すのではなく、これを機会に改善できるところは徹底的に良くしていかねばと思います。

 大学の授業は、前期は全てオンラインで開講することになりました。これに際して歴史研究室のサイトを大幅更新いたしました。「東求堂」「ピラネージ」「林芙美子邸」といった課題に関する資料も、新サイトからご覧いただけます。学部2年の皆様はぜひご活用ください。

www.lah-waseda.jp

 

 ご挨拶が遅れましたが、今月より月報執筆は修士1年の原田が担当しております。拙文お恥ずかしい限りですが、今後ともにご愛読いただけますと嬉しく思います。

 

文責:修士1年 原田

3月報

未曾有の事態を迎えておりますが、みなさま体調はお変わりないでしょうか。

感染拡大防止に伴い、2月末に行われました大隈講堂での卒業設計・修士設計・修士論文の優秀作品講評は無観客での開催、当日の発表は本学のFacebookにてライブ配信が行われました。

 

発表をされたみなさま、例年と異なる環境で準備や発表当日も慌ただしい中、お疲れ様でした。
また早苗章を受賞されたみなさま、誠におめでとうございます。 

 

閑話休題、最近の研究室の様子。
新年度に向けて研究室では日夜、入れ替え作業が行われています。
大型スクリーンが設置されました。

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大隈講評に向けて発表練習をする先輩。

 


今年度最後の月報更新、本来ならば1週間後に迫る卒業式を主題に認めたいところでした、、、、、が、、、、、式は中止となってしまいました。

 

これまで研究室を支えてくださった先輩方、今迄本当にありがとうございました、と共にぜひまたいつでも研究室にいらしてください。
御指導、御鞭撻、御酒、待ってます、今後とも、よろしくお願いいたします。

 

 

当ブログの執筆を私が担当することも、今月の月報にて最後となります。
拙い文章ながら、時に感想やご協力などをいただき、1年間楽しく書き続けていくことができました。ひとえにご高覧いただいたみなさま方のおかげです。ありがとうございました。

 

以前として今後の状況が読めない日々が続きますが、みなさまどうかご自愛ください。

 

 文責:修士1年 早川

 

 

 

 

 

2月報

大寒の頃とは言いますが、暖冬からか寒さよりも春の訪れが感じられます。

2月の月報を更新致します。

 

4日に修士論文の最終発表会が行われました。

修士2年生全員が無事それぞれ特色ある論文を発表致しました。

今年も優れた論文が多く、建築史研究室にまた新たな研究が蓄積されることを嬉しく思います。

 

その後は各研究会が今年1年間取り組んできた合同研究会の最終発表に向けて、活動や成果のとりまとめを行いました。

写真はその8日に行われた2019年度 建築史研究室 ゼミ活動報告会・懇親会(通称ゼミ締め)の様子です。

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今年度は保存研究会・地域文化研究会・伝播研究会・翻訳研究会・社会体制研究会・アンコールゼミが発表を行い、無事に終了いたしました。

 

毎年この会にはOBOGや研究室関係者の方々がいらっしゃり貴重なご意見やご感想を頂いております。

今年度ご来場いただいた皆様、お忙しいところ本当にありがとうございました。

先輩方からの貴重なご指摘を生かし、来年度の研究に生かしていきたいと思います。

この研究会の発表をもちまして2019年度の活動は終了となります。研究室のみなさま一年間おつかれさまでした^^

 

 

大学構内ではいま、来る大学入試に向けて準備が行われております。それが終わった後、29日には本学の今年度の卒業設計・修士論文修士設計の最優秀作品を決める大隈講堂講評会が行われます。卒業設計について今年は建築史研究室から3名が選ばれており、嬉しい限りです。

 

 

年が明けて1か月、新型ウイルスの発生と流行の不安に苛まれる日々が続いております。

みなさまどうかご自愛ください。

 

文責:修士1年 早川 

 

 

 

 

 

12・1月年越し報

みなさま

あけましておめでとうございます。

12月の月報を投稿するどころか、気づけば2020年を迎えておりました。

”年越し報”という形にはなってしまいますが先月分も含め執筆致します。

ご寛恕いただけますと幸いです。

 

12月。
卒業論文が終わりひと段落した学部4年生は、いよいよ卒業設計へ。
早稲田大学の卒業設計は他大と異なり、専攻する系(構造・生産・環境などの工学系と、計画・都市・歴史といった芸術系)の違う者同士3人組で1つの作品を作り上げるのが特徴です。
差し渡り問題になるのは3人が集まり、作業をする場所なのでしょう。我が研究室の前(共有サロン)には大小さまざまな机・椅子・日差し・さらにはホワイトボード。議論や作業には打って付けの環境が整っているからでしょうか、毎年この時期になると、あーでもないこーでもないと集まり作業をしている4年の姿が見られます(筆者もその1人でした)もはや風物詩。

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M1は研究会の牽引・授業・就職活動・修論の準備、そして21日に行われましたJSA25周年シンポジウム(詳細は建築史研究室のHPをご覧ください。)の事前準備とマルチタスクをあわあわあわあわ言いながら何とかこなしておりました。
その様子まさに師走。

 

M2は修論山場の時期。いままでの調査や分析を基にどのように展開し、繋げていくのか、楽しくも苦しい時期であったように思われます。そのような中でも研究会やシンポジウムの準備に嫌な顔一つせずご協力していただきました。感謝申し上げます。

 

博士の方々も含め、先輩の頼もしさを改めて感じました、、、、

 
クリスマス
研究室のグループラインにケーキを取り囲んで楽しそうな笑顔の写真が続々送られてきました。なんでしょうこのほっこり感。クリスマスとはいえ皆それぞれ研究に作業に忙しく登校している中、束の間をみんなで讃え慰め合い(?)過ごせるひと時というのはある種、大学院の研究室ならではかと思います。

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 筆者は調査で海外に渡航しておりました、無念

 

1月。

研究室の中ではM2(修士2年生)の姿が毎日見かけられます。というのも修士論文最終発表は2/4提出、差し当たり今は大詰めとなる時期です。思わず声をかけるのも憚られるほどの集中力を発揮しております。

他方、研究室の外では4年生が日夜、こちらも1/21提出の卒業設計に向けて取り組んでいる姿が見られます。日々完成していく模型、対照にやつれていく4年。
残り数日、終われば春だ、がんばれ、、、、、


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 シンポジウムにいただきましたお花はしばし鑑賞した後、ドライフラワーにさせていただきました。こういう時にも研究室前のホワイトボードは活躍します。。。

 
来月はいよいよ修士論文発表会・研究会報告会が執り行われます。
それが終わればいよいよ新4年生を迎え新年度の準備が始まっていくこととなります。

昨年はみなさまよりたくさんのご指導・お力添えをいただきありがとうございました。
本年も建築史研究室を宜しくお願い致します。

 

文責:修士1年 早川実尋

 

 

11月報

木々の葉が降り積もる季節となってまいりました。

日に日に寒さが厳しくなるこの頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

 

今月の上旬に卒業論文の最終発表・提出が執り行われました。

卒論生にとっては初めての研究・論文の成果をいざ発表とあり、緊張している様子が伺えましたが一生懸命に発表、質疑応答しておりました。

こうしてまた研究室に新たな研究が蓄積され、喜ばしい限りです。

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 画像は論文発表後の打ち上げ時の様子です。

 

 

 

今月半ば、研究室内に長年所蔵されております本棚の補強工事を行いました。

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本の入れ替え作業を行う 修士生↑↑(頑張りました)

 

小岩研究室は所蔵している書籍・史料が多いことで有名です。

(昨年の稲門建築誌においても「図書館」と称されていたような。。。)

 

出版物は昨今電子化の潮流、筆者も日常では某〇indle等を活用する機会が増えてまいりましたが、研究室にて多くの書籍や史料に携わっていくと、生身の本の良さや魅力というものを改めて感じられることが多くございます。

 

 

 

そろそろインフルエンザなど感染症が流行りはじめてくる頃です。

みなさまどうぞご自愛くださいませ。

 

文責:修士1年 早川実尋 

10月報

季節はすっかり秋、肌寒い季節となってまいりました。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

10月、後期が始まりました。
卒業論文の提出が近い故に毎日研究室には4年生の姿が。

鋭意執筆中でございます。

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卒論生応援なのか、食欲の秋なのか、はたまたハロウィンの影響なのか研究室に置かれるお菓子は日々増えております(ありがたい)

 

修士生以上も学会発表を終え、各々の研究や合同のゼミ(木割の研究)に勤しんでおります。まさに学問の秋でございます。

 

 

 

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写真は先日の即位礼正殿の儀を研究室にて鑑賞している様子です。

平安時代に通じている同輩や先輩方から実況解説をいただきました。歴史研究室ならではの光景(?)。。。


さて、先日の台風では多くの地域が被害に
文化財に関しましても国宝である富岡製糸場はじめ220件あまりが被害にあったとのこと。一日でも早い復興が進みますことをお祈りいたします。また文化財の保存のあり方についても改めて考えさせられ、研究室内では議論がはずみます。


来月はいよいよ卒業論文の提出、また修士論文の中間発表がございます。新たなる研究が蓄積されること、今から楽しみです。

みなさま風邪などひかぬよう、お気を付けてお過ごしくださいませ。

 

 

文責:修士1年 早川

 

 

7月報

箪笥の中が半袖を占めるようになって参りました。

暦の上では7月といえど、まだまだ完全な梅雨明けとは感じられないような蒸し暑い日々が続いております。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

先月の末、研究室旅行で長野を訪れましたので当時の様子を認めようと思います。

  

6/29(土)

初日は松本城と先日国宝に指定されました旧開智学校を見学致しました。

 

松本城では急勾配な階段に苦しむ者、展示品のくずし字を解読しようとする者、肘木の組み方に注目する者、、、と見学の仕方に個性が溢れる我が研究室。

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続いて訪れました旧開智学校は、今年の5月17日に近代学校の建築で初めて国宝に指定された話題の建築です。

擬洋風の建築については大学の学部時代の建築史の授業においても聞いていた内容であったため、今回実際に赴き触れることで学びを深めることがかないました。

 

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見学が終わった後は早稲田大学軽井沢セミナーハウスに戻り、大雨降りしきる中BBQを決行致しました。

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先生のご指導のもと、雨ニモ負ケズ、虫ニモ負ケズ火を起こし肉を焼く屈強な男達。

お陰様でおいしく楽しく歓談することができました^^

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 6/30(日)

2日目は、軽井沢高原教会、石の教会、聖パウロカトリック教会、タリアセン、千住博美術館、旧中込学校の順で見学に参りました。

 

軽井沢高原教会と石の教会では結婚式が行われており、内部の見学は叶いませんでしたが雨の滴る中の教会もまた一興、外観と式の様子をじっくりと堪能することができました。

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 聖パウロカトリック教会は、旧帝国ホテルを設計したA.レーモンドが設計した作品です。レーモンドは洋小屋組が秀逸な建築家として知られています。本建築に扱われていたシザーズトラスも素晴らしく、みな思い思いの席に座り鑑賞を楽しんでいました

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タリアセンの中にありますペイネ美術館もまた、A.レーモンドによる作品(通称「軽井沢・夏の家」)であります。レーモンド好きの多い我が研究室ではペイネ美術館を見つけるなり、我先にと写真を撮る群れが、、、

 

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西沢立衛設計の千住博美術館においては、”自由な彷徨い” ”居心地の良さ”の設計意図に導かれ、中から出てこれない人が多数見られました。美術館横のベーカリー浅野屋においても中々出て来ない人がいたようですが、、、

 

 

最後に訪れました旧中込学校では、正面の虹色のステンドグラスが美しいのは勿論ですが、内部の展示内容が豊富でした。ピアノを奏でる者、助手に教鞭を執る者、橋の施工図を凝視する者、、、とそれぞれ思い思いに楽しむ様子が見受けられました。

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2019年度に入り早3ヶ月がたちましたが、卒論生はもちろん修士生から先生方までこの研究室旅行を通しゼミや研究会の壁を超えて親睦を深められたのではないでしょうか。

 

来月からは夏休みに入り 調査と各々の個人研究に励むことになります。

 

暑さも厳しくなってくるかとは思いますが、みなさまお身体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

 

  

文責 修士1年 早川実尋